チケット売り場の駅員が逆切れ

翌朝9時にホテルブッダをチェックアウト。迎えに来たヒンズー2号に乗り込む。今日、シュラバスティー(ガイドブックに掲載されている、サヘートマヘートという名前ではほとんど通じない)に行くつもりでいた。ここは祇園精舎などのある舎衛国(コーサラ国)の首都だったところであり、この地での仏陀の教えも多くの仏典に書かれている。

二人からお前は仏教徒なのかと何度も聞かれ、めんどくさいのでそうだと答えると、では、そこへ行くことはとても重要なことだと理解を示される。

が、目指すシュラバスティーはとても遠い。バラナシから列車でゴランプールというところまで230キロの行程で、その後、乗り換えてバランプールという駅まで行く。そこからタクシーで20キロ位とガイドブックには書いてある。しかし、ゴランプールからバランプールまで何キロなのかわからない。かかる時間も全くわからなかったが、とりあえず行ってみよう状態で挑む。

ヴィーノがゴランプールまで直接行ける列車があるはずだと時間を調べておいてくれた。さっそく、バラナシ駅へチケットを買いに行く。その前にエクスチェンジチケットを持っているかと聞かれる。「何じゃそりゃ?」と尋ねると、いわゆる現金換金証明書(encashment certificate)というもので、それがあるとチケットを買う手続きが早く済むらしい。銀行で発行してもらえるそうである。最後の10ドル札が一枚あったので、それを持って、彼らのいうプライベートバンクとやらに行き、換金して証明書をもらうことにする。

が、行ったプライベートバンクとは、先日シルク製品を買わされそうになったシルク屋だった。実は二日前、「バラナシではシルクが全国的に有名だ」と、お約束の工場見学アーンド販売ツアーに連れて行かれたのだが、ジャイプール、アーグラで強敵と戦ってきた自分にとって、そのシルク屋の兄ちゃんは弱かった。

安いラブホテルにあるような、あまりの素晴らしいセンスと色使いに目が眩みそうなベッドカバーを次々に繰りだし、自慢げにその品質の良さをアピールする兄ちゃんを完膚なきまでにたたきのめした。が、あまりにも悲しそうな顔をするので、15ドルというのシルクのパジャマーを半額以下にぶったたき、さらに悲しい顔にしてやった。プライベートバンクとはその店で、打ちのめした兄ちゃんが証明書を手配してくれた。悪いね。


ヴィーノ曰く、インド政府の銀行はやることが遅くて、今の作業だけでも半日以上は待たされる。と言っていたが、さすがにこのなんちゃって銀行は即発行だった。

そしてバラナシ駅の外国人専用カウンターへ。中にはイタリア、韓国、イスラエル人がおり、カウンターのおやじと話ていた。どうやらコンピューターがダウンしているらしく、入ってくる旅行者から文句ブリブリ言われまくりのオヤジは「復旧するまで黙って待ちやがれ、コンチクショー」逆ギレする

その間、韓国から来たという女の子と話す。彼女は学生で、単身初めてのインドに来たというチャレンジャーだ。韓国語版地球の歩き方を見ながら、今日のホテルを探しているということだったので、エロリクシャーにつかまらないようアドバイスする。

資本のいらないニュービジネス、体重計測屋

外ではシヴァがそれを目ざとく見つけ、手招きしてこっちに連れて来いと叫んでいたが「ごらん、あれがエロリクシャーだよ」と紹介しておく。結局ヴィーノがホテルまで送ることで話がまとまる。シヴァは、彼女が日本人でないとわかると、ややがっかりしていた。彼は日本人女性に対して明らかに誤った認識をしているようである。

コンピューターは30分後に復旧し、予約開始。逆ギレおやじに聞くと、なんと、目的地バランプールの近く、ゴンダ駅まで行く直行列車があるという。が16時30バラナシ発で、ゴンダ到着はなんと深夜2時30という。迷ったがそれに決め2ndACクラス(寝台)のチケットを購入。744ルピー。ヴィーノは「何でこんな高いチケット買ったんだ」と驚いていたが、とりあえず4時に駅へ戻ることにして、それまでどこかでダベる事にする。

韓国人の女の子をホテルに送ってあげようということになり、ガイドブックから彼女がピックアップしたホテルを選んで見に行く。「私韓国の友達イマース」という何日か前と全く同じトークを再度聞く。営業熱心ね、君達。

ガンガー近くで150ルピー以内がいいという彼女のリクエストにより、細い道をうねうねと走った玄関前にウシのいるホテルに決まる。彼女に「マッサージには気をつけろ」と再度アドバイスし、そこで別れる。

自分はかなり伸びた髭を剃りに行くことに。床屋の兄ちゃんは、剃る前に「カミソリの刃を新しいのにしますから」と目の前で袋から出すという、外国人旅行者にはとても安心感を覚えさせるパフォーマンスの後、ジョリジョリしてくれる。

当店は衛生第一主義でございます

ヴィーノは「よお、ハンサムになったね」と笑っていた。シヴァにも「お前は髭が濃くないから、伸ばさない方がいいぞ」と言われる。

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